Column
コラム
ジオデシックドームのデザイナーに触れる
2021.06.29
私たちがジオデシックドームを作り出して、10年が経とうとしています。
良く聞かれるのが、どこかにパテント料を払って増産をしているのですか?
という質問です。
結論から申し上げますと、どこにもパテント料は支払っておりません。
その前に、このジオデシックドームのデザイナーであるMr.バックミンスター ・ フラーさんについて述べなければいけません。
フラーさんはすでに亡くなっていますが、現代に残る偉大な発明や思想を残しました。
このフラーさんの肩書きはデザイナーだけでなく、数学者、思想家、発明家、建築家と多岐に渡ります。
フラーはすでに1920年代から、ダイマクションハウス、ユニットバス、流線型の自動車などの先駆けとなるアイデアを世に問いながら、建築や工業デザインという領域を越えたグローバルな思想を追究していました。「宇宙船地球号」という彼の有名な言葉が示すように、フラーさんはつねに地球全体の環境と人類のゆくえを視野に入れていたのです。彼はすべての人々が幸福に生きるための「デザイン科学」を提唱し、最小限のエネルギーと素材によって最大の効果を得るという理念のもとに、あらゆる分野においてユニークな業績を残しました。
私はその思想にとりこになり、いつもその本を読み返す暮らしをしてきました。
フラーさんにリスペクトの気持ちを持っています。
フラーさんはジオデシックドームの設計はしましたが、細かなジョイント方法の定義まではしませんでした。
そのジョイント方法やノウハウを完全オリジナルで、日本で、愛知でやっているので、パテント料は支払っておりません。現在は、海外製の販売代理店はほとんどだと思いますので、ノウハウを生かした、良い所も悪い所も把握している業者は弊社だけだと思います。
木製ドームに至っては、完全オリジナルの宙Joinという接続方法でひのきドームの販売を開始しました。
このジョイント方法は日本を飛び出し、世界に誇る技術だと思っています。
ですので、このドームのデザインをしたのは、私ではございません。
このジョイントパーツの設計をしたのは、私です。
偉大なフラーさんという方がデザインされたものの、現代版でございます。
宙のドームで暮らす景色や人や宙や地球や宇宙の循環がめぐりめぐり、つながる。
そんな日は近いと思っています。